法人は、人と同じように財産を所有したり、法的な行為をすることが出来ます。
法人は「人」ですので、人の住民票に当たる書類として「登記事項証明書」があり、法務局で記録されています。
司法書士はその記録手続の仕事をしています。
もちろん、目に見えない大きな存在ですから、その手足となって動く人がいます。
その中でも「役員」と呼ばれる存在は人体の脳にあたるような意思決定機関で、最も重要な存在です。
特に、「代表取締役」という「役員」が法人の最も力を持った存在です。
その身分証明書に当たる書類が「登記事項証明書(代表者事項証明書)」になります。
法人と取引するときには、この身分証明書をみて、本当に権限があるのか等を確認します。
ちなみに、登記事項証明書は、住民票等とは違い、誰でも取得することが出来ますよ~
法人の中でも、「株式会社」が有名ですよね。
ちょっと難しい話になりますが、「株式会社」のことがわかれば、法人のことがよくわかりますので、「株式会社」のお話を少しだけしておきたいと思います。
商法から会社法へ
会社法が2006年5月に施行されるまでは、商法により有限会社は最低300万円、株式会社は最低1,000万円資本金が必要でしたが、会社法施行後、その制限がなくなりました。
また、会社法施行前は株式会社を作るためには取締役3人(取締役会設置)、監査役1人を選任する必要がありましたが、会社法施行によりこの規制も撤廃され、取締役1人でも株式会社の機関を設計することが可能になりました。
取締役会や監査役を設置するのは任意
会社法施行により、すべての株式会社には株主総会と取締役を置かなければならない(会社法295条、326条1項)ことだけになり、非公開会社の場合には取締役会を設置するか監査役を設置するかは任意ということになりました。
○取締役会設置会社においては、取締役は、3人以上でなければならない(会社法331条5項)。
非公開会社と公開会社
非公開会社とは、株式を譲渡により取得するには取締役会等の承認が必要等、すべての株式に譲渡制限をつけている株式会社のことを指します。
※有限会社は、「特例有限会社」という株式会社の一種となりました。
非公開会社には、以下のような大きなメリットがあります。
①株主総会(株主は1人でもよい)
②取締役(1人でもよい)
③取締役会を置かなくてもよい(会社法上の大会社でない場合)。
④取締役・監査役の任期を、定款により、最長10年まで伸張できる(会社法332条、336条)。
⑤監査役は、「大会社」のとき、「大会社でなくても会計監査人を置く」とき、「大会社でなく会計監査人を置かなくても取締役会を設置した」ときの3つの場合必要ですが、そうでないときは設置しなくてもよい。
これに対して、公開会社は取締役会の設置が義務付けられ(取締役会設置会社)、原則として監査役の設置も義務付けられます(監査役設置会社)。
○大会社
→ 最終事業年度(会社法2条24号)にかかる貸借対照表上、以下のいずれかの要件を充たす株式会社
1.資本金として計上した額が5億円以上
2.負債として計上した額の合計額が200億円以上
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