実家の土地を相続した方へ 相続放棄はいつまでできるか?

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今回の記事は、『実家の土地を相続したけど、管理も大変なので処分しよう』とお考えの方へ書いています。

大きなテーマは、相続した不動産の処分方法として、相続放棄という手法は取りうるのか?ということになります。

まず、相続放棄という手法の前提情報を1行でまとめます。

「土地建物だけ相続放棄する!お金はもらう!」これは相続放棄ではダメですよ!

これですっ!

この法律の趣旨は、懲罰的な発想ではなく、相続では関係者が多くなることもあるため、法律関係はできるだけ簡明なほうがいいよね!という趣旨だと思われます。

法律の趣旨、その法律がやろうとしていること、を自分のコトバで把握しておくことは、結構重要なことではあるのですが、それはまた別の話ということで

今回お話する小さなテーマは、相続放棄は、いつまでできる?という話です。


 

相続放棄は、いつまでできる?まずは、相続開始から3ヵ月ではありません

相続放棄は、いつまでできるのか?まずは、条文の確認です。民法第915条です。

(相続の承認又は放棄をすべき期間)

第九百十五条  相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

 

相続放棄は、いつまでできるのか?を見ていきますと

赤で書いてある内容は、相続放棄の期間は、常に相続から3カ月、というわけではない!!です。普通は、相続から3カ月になるのでしょうけど、それよりも遅くなることもありますよ、となっています。このことを以下ご説明します。

相続放棄は、いつまでできる?相続放棄は、いつ「から」できる?

相続放棄は、いつまでできるのか?は、いちおう最高裁の判断があります。
昭和59年 4月27日 最高裁第二小法廷 昭57(オ)82号 です。

よく読んでいただくと、結論は、2段構えになっています。

けどそこよりも、まず赤い文字のところをご確認ください。


 

民法九一五条一項本文が相続人に対し単純承認若しくは限定承認又は放棄をするについて三か月の期間(以下「熱慮期間」という。)を許与しているのは、

相続人が、相続開始の原因たる事実及びこれにより自己が法律上相続人となつた事実を知つた場合には、通常、右各事実を知つた時から三か月以内に、調査すること等によつて、相続すべき積極及び消極の財産(以下「相続財産」という。)の有無、その状況等を認識し又は認識することができ、したがつて単純承認若しくは限定承認又は放棄のいずれかを選択すべき前提条件が具備されるとの考えに基づいているのであるから、

熟慮期間は、原則として、相続人が前記の各事実を知つた時から起算すべきものである

が、

相続人が、右各事実を知つた場合であつても、右各事実を知つた時から三か月以内に限定承認又は相続放棄をしなかつたのが、被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、被相続人の生活歴、被相続人と相続人との間の交際状態その他諸般の状況からみて当該相続人に対し相続財産の有無の調査を期待することが著しく困難な事情があつて、相続人において右のように信ずるについて相当な理由があると認められるときには、

相続人が前記の各事実を知つた時から熟慮期間を起算すべきであるとすることは相当でないものというべきであり、熟慮期間は相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべき時から起算すべきものと解するのが相当である。

 

赤い文字のところは、

知ったならば、いろいろ判断相続をそのままもらうか、相続放棄をしようかどうしようか・・・限定承認というのはちょっと保留しておいてください。)できるよね?

と書いてあります。

これは、割と重要な考え方でして、知っても判断できない人ならば・・・みたいな話に繋がったりします。割と重要な考え方です。ですが、ここまでお読みいただいた方から、とりあえずそういうところはいいから、

結局、「私は」相続放棄ができるのかい?今はもうできないのかい?

と問われたならば

判決の結論の2段構えの部分、ご相談者の特殊事情をお伺いしないとわかりません!

とお答えすることになります。

裁判所の判断(=法の趣旨の部分)知ったならば、いろいろ判断ができるよね?を補助線として

とりあえずもう一度判決文をお読み下さい

とお答えするということで、いったんすみません。

原則は、青い文字の2つのことを知ったときから3ヶ月ですが、

特別の事情あるときは、例外の、相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべき時から3ヶ月、となります。

そしてこの特別の事情にあてはまるかどうか、というところは、ギリギリのところではかなり判断が難しい場面もあるかと思います。

まとめ 相続放棄は、いつまでできる?まずは、相続から3ヵ月ではないですよ!と

相続放棄がいつまでできるのか?については、割とひろく誤解があるところであり、今回記事にしました。

相続放棄がいつまでできるのか?について、また、そもそも相続放棄ができるのか、など相続放棄をご検討の際は、お近くの司法書士事務所、弁護士事務所にてご相談ください。

3ヶ月というと、身近のかたを亡くされたあとと考えると、かなり短い期間であるといえると思います。相続放棄は、相続発生前には申立てできません。相続放棄を含む、相続手続きについて、前もってお考えいただくということは重要なことなのかもしれません。


 

この記事を書いた人

柗村 正樹(まつむら まさき)

柗村 正樹(まつむら まさき)

熊本県玉名郡南関町にて、司法書士・行政書士事務所をひらいています。田舎(いなか)の司法書士・行政書士です。
相続などの名義変更、農地の取引のための転用の許可申請など、地域に密着した業務を中心に行っています。また債務整理や成年後見などの業務も積極的に行っています。

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